新旧「洗濯表示」マークのパパ向け完全マニュアル|一覧表やアプリですぐ分かる解説付き

衣類には、それぞれに推奨される洗い方があり、洗濯方法がわかるマーク『洗濯表示』がタグに記載されています。

「洗濯表示を見て洗ってほしい」と言われたけど、、
見ても全くわからないよ!
わかりやすく記号化している洗濯表示ですが、ほとんど意味がわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、”洗濯表示の正しい読み方”をご説明します。
各マークの意味と洗い方を解説し、おさえてほしいポイントや簡単な覚え方、洗濯表示一覧表・アプリなどの補助アイテムを紹介します。
この記事を読み終える頃には、「これ洗っていいのかな?」「乾燥機かけてもいいのかな?」など迷ったときも、すぐ判断できるようになりますので、ぜひ洗濯の前にご一読ください。
【洗濯の仕方】基本マニュアルは、こちらからご覧ください。
洗濯表示とは?

洗濯表示とは、「洗い方を表すマーク」のこと。
- 洗濯機で洗える → ?
- 漂白剤は使える → ?
- 乾燥機は使える → ?
- アイロンはかけれる → ?
上記のような「この服はどのように扱えばよいのか?」を、マークでパッと伝えてくれる案内板のような存在です。
日本では法律で表示が義務づけられているため、市販されている日本製のすべての衣類に記載されています。服の内側やタオルの端などのタグで確認することができます。
日本では独自のマークが使われていましたが、2016年に国際ルールと統一されて今の形になりました。

今回の記事は、国際ルールであるISO(国際規格)マークの見方を紹介しますね。
もちろん旧表示マークの衣類もまだご自宅にあるかもしれませんので、最後に旧表示のマークの一覧表も紹介します。
洗濯表示は『基本の5種類』を覚えれば大丈夫!
洗濯表示マークは、知識がないと見ただけではわからないですし、種類も多く覚えられるか不安になりますよね。
実は洗濯表示マークは「基本の5種類」で構成されていて、この5つのマークを基本にすると覚えやすくなります。

以下、5つのマークそれぞれの補足表示を解説していきますね。
①家庭洗濯

この桶の形をした表示は『家庭での水洗い』を表しており、洗濯機洗いと手洗い、洗濯NGの3つに分けられます。
■家庭洗濯(1)洗濯機洗い

上記は『洗濯機での洗い方』を表しています。
桶の中の数字は上限の水温を示していて、例えば「30」と記載があれば、水温は30℃以下で洗います。水温が高いと膨張する繊維があり、汚れの再付着や衣類の痛みに繋がるので、水温が表記されています。
入浴直後の温かい残り湯を使うときは注意しましょう。また夏の日中は水温が30度を超すこともあるので、夜に洗うなど対応が必要かもしれません。
桶の下の線は洗うときの水流の強さを示していて、線が増えるごとに弱い水流で洗います。水流が強いと繊維が伸びてしまう衣類などに表示されています。
洗濯ネットを利用して水流の威力を抑える、洗濯機の「弱水流モード」で洗う(脱水まで優しく洗ってくれます)、などの対応が必要です。

水温や水流、細かく対応していたら大変だよね。
「水流や水温に注意が必要な以下のマークは『手洗いマーク』と同じ扱いにする」
とかにするのもおすすめだよ。

■家庭洗濯(2)手洗い

桶の中に手が入っているマークは、洗濯機ではなく『手洗い』を推奨するマークです。おしゃれ着用の洗剤を利用して、手洗いしましょう。
数字の記載はないですが、水温は40℃が限度です。入浴直後の温かい残り湯などは注意してくださいね。

このマークはいわゆる『おしゃれ着』に付いてることが多いよ。
専用コース選択をすれば、洗濯機洗いも可能だよ。
例・ドライコース
・手洗いコース
・おしゃれ着コース
洗剤はおしゃれ着用の洗剤を使ってね。
■家庭洗濯(3)家庭洗濯NG

桶にバツ印が付いている場合は、家庭での水洗いはできません。クリーニングを検討しましょう。
衣類によっては、取り扱い説明書に汚れたときのメンテナンス方法が書かれていることもあるので、確認してみてくださいね。
②漂白

三角マークは『漂白』に関する表示です。汚れを落とす洗剤とは別物で、漂白剤はシミや汚れを脱色したり、除菌をしたり、洗剤以上に衣類をきれいにする効果があります。
洗浄力が強い分、繊維が傷む、衣類の色が変わるなど、間違えた使い方をすると洋服がダメになるので注意が必要です。

無地の三角形は酸素系・塩素系いずれの漂白剤でも利用可能で、斜線が入っている三角は酸素系のみ利用可能です。バツが付いていると、漂白剤の利用ができません。
酸素系漂白剤:色柄物にも使える優しめの漂白剤
- 過炭酸ナトリウムが主成分
- 色柄物にも使える
- 普段使いに
塩素系漂白剤:白い衣類向けの強力な漂白剤
- 次亜塩素酸ナトリウムが主成分
- 強力な漂白力と除菌力
- 白い衣類専用で、色柄物に使うと色落ちする可能性あり

酸素系とか塩素系とか、覚えにくいなぁ……。

たしかに覚えにくいよね。
塩素系で有名な商品は『ハイター』なのね。だから、
「ボーダー柄(斜線の△)の洋服には、模様を消してしまうハイター(塩素系)は使えない」

と覚えるといいんじゃないかな?
③乾燥

四角のマークは『乾燥』の方法を示しています。タンブル乾燥(ドラム式乾燥機)と自然乾燥に分けられます。
■乾燥(1)タンブル乾燥(乾燥機)

四角の中に〇がある上記のマークは『乾燥機(タンブル乾燥)の可否』を表しています。乾燥NGの衣類を乾燥機に入れてしまうと、繊維が傷んだり、大幅に縮んだりする危険があるので気を付けましょう。
中の黒丸は温度(高温・低温)を示していて、バツは乾燥機禁止を意味します。
- 2点「‥」…高温/80℃上限
- 1点「・」…低温/60℃上限
家庭の洗濯機は設定によって高温・低温を選べる場合が多いので、表示によって使い分けましょう。

コインランドリーは注意してね!
コインランドリーの乾燥機は標準で70℃を超すところがほとんで、実は対応していない衣類が多いの。
設定で温度調整できる機械もあるみたいだから、確認してみてね。
■乾燥(2)自然乾燥

上記は『自然乾燥』の方法です。
縦の線は吊り干し、横の線は平干しを表しています。平干しは、セーターやニットなど水分を含むと重くなり、ハンガーで縦に吊るすと型崩れを起こしてしまう衣類に記載されています。平干し専用のハンガーを利用すると便利です。
線の数は脱水の有無で、1本線は脱水して干し、2本線は脱水せずに干します。デリケート素材などは脱水により傷んでしまうことがあるので、2本線の表示が多いです。乾いたタオルで挟み、軽く水分を取ってから干すと良いでしょう。

濡れていて重くなって、線が2本に増えたと覚えるといいんじゃないかな。

四角の左上に屋根のような斜線が入ったら、日陰干しを推奨しています。紫外線により色あせをしてしまう可能性があるので、軒下や室内など、直射日光が当たらない場所に干しましょう。
④アイロン

上記表示の『アイロン』は、アイロンの形そのままなので覚えやすいですね。
アイロンは低い温度だとシワが伸びないですが、高すぎる温度だと繊維が傷んだりテカったりしてしまいます。適正な温度を守りましょう。

中の点は上限温度を示しており、点の数が増えると温度が上がります。この表示を参考に、アイロン機器の低温・中温・高温の設定をしてください。バツ印が付いている場合、アイロンは禁止です。
記載がないですが、低温表示の場合はアイロンのスチームが使えないので覚えておきましょう。

2024年の改定で、上記の「120℃を限度としてスチームなしでアイロンできる表示」が追加されています。
⑤クリーニング

〇は『クリーニング』のマークです。

様々な種類がありますが、これらはクリーニングをする業者が確認するマークであり、私たちが覚える必要はありません。

「〇が付いていればクリーニングに出せる」とだけ覚えれば大丈夫!
洗濯表示の補足コメントも確認して
多くの衣類のタグには、洗濯表示の下に文章が書かれています。これは洗濯表示だけでは伝えきれない洗濯の仕方を伝えるための補足事項です。

洗濯の際に必要な情報ですので、確認し、必要な対応をしてください。
- 洗濯ネットを使ってください
- 他のものと分けて単独で洗ってください
- 色落ちに注意してください
- 長時間水に浸すことは避けてください
- 蛍光増白剤(衣類を白くする染料の一種)が入っていない洗剤を使ってください 等

補足コメントはたくさん書かれているよね。全部に対応するなんて無理じゃない??

そうね、全部に対応するのは無理だと思うよ。
これはあくまで「補足」の情報だから、もし守らなくても、1回の洗濯で洋服がダメになる(大幅に縮む、色が変わる)ようなことはないから安心して。
お気に入りの洋服とか、長く着たい衣類だけ対策するといいと思うよ。
家族で相談して決めようね。
洗濯表示の『一覧表』を洗濯機の近くに貼っておこう
洗濯表示は5つだけといっても、それぞれの補足表示は種類が多く、やはり完全に覚えるのは難しいですよね。忘れてもすぐに確認できるように、洗濯表示の一覧表を洗濯機の側に貼っておくことをおすすめします。
以下より、消費者庁が作成した一覧表をダウンロードできます。
お洋服を大切に着ている家庭には、まだ古い洗濯表示も残っているかもしれませんね。新旧両方の洗濯表示の一覧表も紹介しますので、必要な方をご活用ください。
新洗濯表示一覧表

新・旧洗濯表示一覧表

⇒ダウンロードはコチラ(消費者庁「新しい洗濯表示/洗濯表示の記号の対比」)
便利なアプリの活用もおすすめ
洗濯表示を確認するのに便利なアプリもあります。アプリを活用すれば、洗濯表示の確認がぐっとラクになりますよ。
2つ紹介しますので、ご自身の使いやすいものを選んで試してみてくださいね。
まとめ

適正でない漂白剤を入れたり、乾燥NG服を乾燥機に入れたり、洗濯表示を確認せずに洗濯をするとお洋服がダメになってしまうこともあります。洗濯表示の確認は必ず行いましょう。
洗濯表示は基本の5種類(洗い・漂白・乾燥・アイロン・クリーニング)をもとに構成されています。

各マークそれぞれに細かい補足表示があり、完璧に覚えるのは難しいと思います。洗濯機の近くに一覧表を貼ったり、便利なアプリを活用したり、無理なく洗濯表示に慣れていきましょう。
また水温や水流、平干し、単独洗いなど、すべての洗濯表示・補足コメントの指示に対応することはかなり困難です。実際には、大切な衣類のみ洗濯表示の確認をする家庭がほとんどだと思われます。
「お出かけ着だけ洗濯表示通りに洗う」「この表示とこの表示は、まとめて『ドライコース』で洗う」など家庭のルールを決め、夫婦で共有することが大切ではないでしょうか。
何度か繰り返すとそれぞれの衣類の洗濯表示を覚え、毎回見なくても洗濯できるようになると思います。
はじめは少し大変ですが、少しずつで大丈夫。
“頼れる洗濯パパ”として、少しずつ頑張ってくださいね。